タンゴらしさの構築と脱構築

相手の温もりに触れ、音楽を感じて踊る

タンゴはハグに近い状態で踊る

ハグとは何かを深掘りしたら、相手の温もりじゃないかと思う

タンゴらしさの構築とは、相手の温もりを感じながら踊るというのが最終ゴールのような気がする

温もりを感じていれば、喧嘩にはならないし、ましてや戦争にもならない

そんなところにつながっていく、タンゴはそういうものだと思う

しかし、相手の温もりとか、音楽を感じで踊るとか

教えることができない

「相手の温もりの感じ方」とか、そんなレッスンはない

そして

相手と音楽という2つことを同時進行しなければならない

温もりだけ求めても、一人で勝手に音楽に浸ってもダメなのだ

たぶん、これを実現するためには

まずは、動きを覚える何年

次に、リードとフォローを知るに何年

さらに、音楽に何年

そして、相手と向き合うマインドに何年

最後に、これらすべてを同時進行するに何年

自分らしさ、タンゴらしさの構築には

あっという間に10年ぐらい時間が過ぎてしまう

頭で踊るタンゴからの卒業

頭でタンゴの動きが理解できたら、次はそれをカラダに覚えさせる

タンゴ的な動き方がカラダに染みついていく

そうなると、自在に動き始める

次に、自分のイメージするタンゴを作る

どうやって作っていくかは、今ならYouTubeを参考にすればいい

多くのタンゴダンサーの中からお気に入りを見つければいい

その瞬間、何を意識しているか

自分の小指がどうか、重心がどうとか、歩幅がどうとか

それは、自分を意識して踊っている状態

相手は、どこかに置き去りにされている

雑なタンゴになる

常に意識は相手に向けられていなければならない

ミロンガ前は妄想を膨らませる

ミロンガに行くなら

行く前に気持ちをそこに集中させて

妄想を膨らませていく

じっくり曲を聴いてイメージを膨らませる

イメトレは重要

リードはイメージの具現化なんだから

タンゴのイメージがない人にリードができるわけがない

どんなステップを踏んでいるかより、2人の間の空気感を見せるもの

さまざまなステップを踏んでいるから、すごいタンゴということはない

あくまでも二人の空気感、タンゴ感がそこに存在しているかどうか

そこにタンゴがある

踊っている二人はいい感じになっているのはもちろんのこと

周りからも素敵なタンゴに見えるはずだ

それは周りにも伝染して

よいタンゴの空気で、ミロンガが満たされていく

シンプルなタンゴ

覚えたステップをどんどん削ぎ落として

シンプルなタンゴを作る

タンゴ初心者にしか見えない

微妙な良さは、微妙なだけに相手にはわかりずらい

でも、こっちです

初心者ができないことをやってすごいではなく

初心者と同じことをやって

初心者とはまるで違う

それなんです

踊りのボリュームを感じ取る

踊りのボリュームとは、踊りの大きさ

動きのひとつひとつの積み重ねが

すべてつながって1つの大きな動きになる

その大きさのこと

大胆で躍動感がある踊りをする人であれば、その踊りのボリュームは大きいし

シンプルで繊細な動きをする人であれば、その踊りのボリュームは小さいとも言える

この踊りのボリューム感は、一人ひとり違う

その違いをわかったうえで

相手のボリュームに自分の踊りのボリュームを合わせていく

ボリュームが一致したときに、踊りの一体感が生まれる

ルパン3世が、女性のハートを盗むかのように

そんなタンゴを踊りたいと

思う気持ちがなにより重要

どのように思われたいのかイメージを持たない限り

自分のタンゴは構築できない

最後は、自分のタンゴを信じる

誰も自分のタンゴを言葉で説明することはできない

すごく感覚的なものになっていくと思う

最後は、自分のタンゴを信じて進むしかない

ダメだししてくれる人がいればラッキー

耳を傾けよう

たぶん、その忠告は当たっている

ブエノス至上主義的

ブエノス至上主義は嫌いだけど

アルゼンチン人の踊りは、日本人の踊りとはあきらかに違う

なぜ、違うのか

カラダや文化の違いだけではないような気がする

何をタンゴで表現するかの違いだと思う

それが、日本にはない

リアリティーがない、五感がない

技術と感性のバランス

技術があれば演じてしまう、ただし、それはつまらない

ただ踊るということだけで、消耗していくだけの踊り

1人でもいいから、相手の記憶に深く残るタンゴを目指した方がいい

アンビエンドは呼吸、血液の流れるテンポ

アクセントとフレージング(旋律=音の高低・長短の変化)の繰り返し

ずっと力が入っている状態ではクールではない

ときどき脱力がないダメ

脱力時のタンゴ感や気持ちよさ感が一致しないとたぶんダメ